解説
2015年7月、ロードスターは4代目となった。新型はアテンザなどに導入されていた「鼓動」デザインを採用し、新時代を感じさせるスタイルへと進化。しかし、各所にエッジを効かせつつプロポーションはどこから見てもロードスターと言えるものである。ボディは先代よりも小さく、3915mmの全長はなんと初代ユーノスロードスターよりも短い。また軽量化にも徹底的にこだわり、先代から100kg以上という大胆なウェイトダウンを実現。標準グレードではなんと990kgと1トンを切る車両重量に抑えられ、ライトウェイトスポーツに不可欠な運動性能を獲得した。
パワーユニットは海外仕様向けに2.0L 4気筒も設定されているが、日本市場に導入されたのは新開発1.5L 4気筒直噴の「SKYACTIV-G 1.5」。これをフロントミッドシップに搭載し、前後重量配分は50:50を実現する。1.5Lの最高出力は131psと、初代とほぼ同じスペック。車両重量も同程度であると考えると、まさに原点回帰と呼ぶに相応しい構成となっている。トランスミッションは6速MTと6速ATを設定。マニュアル車はシフトフィールにもこだわり、気持ちの良いスポーツドライビングが楽しめる。一方AT車はブリッピング機能に加え、スポーツモードのオンオフを切り替えられるドライブセレクションを備えるなど、2ペダルでも一切妥協のない造りが新型の美点である。
グレード構成は、当初はもっともスタンダードな「S」に加え、本革内装の「S レザーパッケージ」やLSDを標準装備する「S スペシャルパッケージ」が選べた。その後はレースベース車「NR-A」、ビルシュタイン社製ダンパーやフロントサスタワーバーなどを備えたトップモデルの「RS」、2.0Lエンジンの電動開閉式ハードトップモデル「RF」が登場するなど、先代同様次々とバリエーションを広げている。エコカー全盛のこの時代において、ロードスターのようなピュアなスポーツカーはもはや希少な存在。これからも多くのファンを魅了していくに違いない。
主要諸元 " 2015y MAZDA ROADSTER S Special Package "
寸法・重量 | エンジン・トランスミッション | ||
車格 | コンパクトスポーツ | 型式 | P5-VP[RS] |
乗車定員 | 2名 | 種類 | 1.5L 直4 DOHC 16V |
全長×全幅×全高 | 3915×1735×1235 mm | 気筒内径×行程 | 74.5×84.8 mm |
ホイールベース | 2310 mm | 総排気量 | 1496 cc |
トレッド前/後 | 1495/1505 mm | 圧縮比 | 13.0 |
最低地上高 | 135 mm | 最高出力 | 96kW[131ps]/7000rpm |
重量 | 6MT : 1010-1030 kg 6AT : 1050 kg | 最大トルク | 150Nm[15.3kgm]/4800rpm |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン | 燃料タンク容量 | 40 L |
サスペンション後 | マルチリンク | トランスミッション | 6MT/6AT |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク | 駆動方式 | FR |
ブレーキ後 | ディスク | 動力性能 | |
タイヤ前 | 195/50R16 | 最高速度 | -- km/h |
タイヤ後 | 195/50R16 | 0-100km/h加速 | --秒 |